✅人権標語を子供に教える前に基本的なことを押さえておきたい
✅職場で人権標語を作る機会があったので数分で作り方を思い出したい
✅学校で人権標語の課題を出されたので作り方を確認したい
子供が学校で人権標語を作る課題を与えられたのに、親としてなんてアドバイスしたらよいのか、わからないなんて経験はありませんでしょうか❓
学生の頃、一度は取り組んだような記憶がある『人権標語』。先生から簡単に説明を受けて作ってくるようにと「宿題」を出されたことがあるんですが、本当に時間が掛かってしまったんですよね💦
今のようにインターネットで検索すれば、パパっと調べられる状況ではありませんでしたので、ずいぶん苦しみましたよ~。
けれども、社会人になってから、職場で『人権標語』を作る機会がありまして、あらためて色々と調べることに!
ということで、学生時代にこういったサイトがあれば助かったのに~と思えるよう『人権標語』について基本のキをまとめてみましたのでご紹介いたしますね~👍
うん。子供が困っていたからちょっと見てみようかな~
まずは人権標語の目的を把握することが大切
まずは、人権標語が何のためにあるのかおさらいしておきましょう👍
そういえば息子が「人権標語って何のためにあるの~?」てグチグチいっていたような・・・
目的がイメージできると人権標語について理解が一気に進むほど大切なことになります。
人権標語の目的
あらためて人権標語の作り方をご紹介するために前段階ですが、土台となります『人権標語の目的』について触れておきたいとおもいます。大切なので確実に押さえましょう。
先に人権標語の目的を述べます、、
目的は・・・すべての人が対等な関係だと考えられるように短い言葉で伝えること
もう少し詳しく言うと、誰もが人間らしく生きる権利があります。一人だけ仲間外れにしたり、いじめたりすることがないように考えを伝えたり皆が守れるように短い言葉で表すのが目的となります。
皆が守ってほしい大事なことは何度も伝える必要があります。
けれども、話すと長くなりがち。印象に残る短い言葉だと頭に残りやすいメリットがあります。教室や職場などに貼ってあれば嫌でも自然と目に入りますよね。
公の文章や辞書的な意味から解釈しよう
先に人権標語の目的をお伝えしましたが、公に発表されている文章や辞書的な意味からもご紹介しておきます。
まずは下記は、人権について国の方針考え方と解釈できる公の文章を抜粋。平成9年の審議会でやり取りを人権を定義している内容となります。日本では以下のようなニュアンスで表現されることが多いでしょう。過去の発言のものではありますが、基本的な考え方は変わらないです。
人権とは、すべての人間が、人間の尊厳に基づいて持っている固有の権利である。人権は、社会を構成するすべての人々が個人としての生存と自由を確保し、社会において幸福な生活を営むために、欠かすことのできない権利であるが、それは人間固有の尊厳に由来する。
引用元:人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項について(答申)
少し堅い文章ではありますが、性別や年齢、国籍、病気などで人を判断しないようにしましょうとのこと。差別はさまざな場面であります。
例えば・・・
- 性別(男性・女性・LGBT)
- 子供(いじめ)
- 高齢者
- 障がい者
- 住んでいる地域
- 先住民
- 外国人
- インターネット
- 病気 etc
もちろん理想論に捉えがちな方もいるかもしれないですが、こと人権においてはひとりひとりが尊重されるべき。日本国憲法では基本的人権は保障されているため、いかなる場面でも差別は許されないこと。
こうした差別をなくすためにも『人権標語』の投げかけが必要となりますね。
辞書的な意味
次に、辞書的な意味に触れてみましょう。
わかりやすく理解するためには「人権」と「標語」の2語に分けてみていきましょう。
人権・・・
① 人間が、人間として当然に持っているとされる権利。基本的人権。② 旧民法で、債権(さいけん)のこと。
引用元:精選版 日本国語大辞典
人権の辞書的な意味はイメージできる方とイメージしにくい方がいらっしゃるのではないでしょうか❓
といいますのは、抽象的だからです。ここはもう少し掘り下げていった方がよいとおもいますので、仮に人権がなければどのような状態なのか、例に出していきましょう。
「女性は家庭ができたら仕事をやめて主婦になるべき」といった考え方をすべての人に押し付けるのは、性別により人を判断しているといえそうです。
考え方を押し付けられた方にとっては人権がないと言えるでしょう。
標語・・・
(mottoの訳語)主義、主張を簡潔にいい表した語句。スローガン。モットー。
引用元:精選版 日本国語大辞典
標語については、辞書の意味通り。短い語句で伝えることになります。
英語ではスローガンといいます。標語よりスローガンの方が聞きなれているのではないでしょうか?
モットーも標語と同じ意味。モットーはイタリアが起源と言われております。
前置きが長くなっちゃいましたが💦
何のために『人権標語』を作るのかはしっかり押さえておきたいとこ❕
人権標語の作り方の基本
では、ここからが『人権標語の作り方』の本番となります。
⓪『人権標語の目的を把握する』
①『人権標語のテーマを決める』
②『誰に向けた人権標語なのか明確にする』
③『言葉を考える』
⓪『人権標語の目的を把握する』
こちらは前の章で説明しておりますが、、
『人権標語の目的を把握する』のは非常に大事なこと。作り始める前に確認したいことにさせていただいてます。
「とにかく作っちゃえ」と勢いよく取りかかる方がいるかもしれないですが、必須の背景知識!実は取りこぼしてはいけないこととなりますよ~👌
①人権標語のテーマを決める
では、人権標語に取り掛かってすぐに行わなければならないのが、【人権標語のテーマ決め】です。
人権標語は色んな内容があります。ひとまず人権の中でもどのようなテーマで書くのか決めるのがよいでしょう👍
人権について触れた章でも触れましたが改めて下記に一覧をご紹介いたします。
人権標語のテーマ一覧 | 守るべきもの・伝えたい考え |
---|---|
男女平等・ジェンダー・LGBTQ | 多様性・個の尊重・個性 |
高齢者・エイジズム | 思いやり・助け合い |
障がい者 | 個の尊重・個性・バリアフリー |
国籍・生まれた国・肌の色 | 命の価値は同じ・地球人・個性 |
けが人・病気 | 優しさ・助け合い・協力 |
出身地・居住地域 | 多様性・住む場所の自由 |
いじめ・仲間はずれ | 注意・一人一人が対等な関係・見て見ぬふりはしない |
言い争い・喧嘩 | 理解・仲直り |
SNSで悪口・誹謗 | 相手の気持ちを考えよう |
職業 | 職業選択の自由 |
人権啓蒙・人権そのもの | 自分らしく生きる |
※ご紹介しているテーマ一覧は一部細かく分けて記載しているものがございますがご了承ください
②誰に何を伝えたいか方向性をイメージしよう
テーマを決めたら、誰に向けてどのようなメッセージを伝えたいのか考えていきましょう。
例えば、学校の教室で言い争いが起こることを何とかしたい。
この場合、
誰に→喧嘩をする人に対して
何を伝えたい→人の考えは皆違う
を標語の形にするならば、
『歩み寄ろう 同じことでも 捉え方は異なるよ』byメッセージ研究室
という標語を作ってもよいでしょう。
言葉選びは次の章でお伝えしますので、まだまだ言葉にできなくてもよいですが、誰に何を伝えたいのかできるかぎり明確にイメージできるようにしておきたくはあります。
③言葉を選ぶ
テーマと方向性が決まったら、「あとは言葉を選ぶだけ!」といいましても、言葉選びが一番大変。
短い言葉で伝えるからこそ言葉選びは慎重になってしまいますよね。
ではでは、どこから言葉を選ぶのがよいのでしょうか?続けてみていきましょう。
人権標語に取り組んで、時間が掛かった理由はこれなんだよね
どこから言葉を見つける?
では、人権標語で使う言葉は何から探すのがよいのでしょうか❓言葉を探せる媒体は以下のようなものとなります。
~参考にできる媒体~
●本や雑誌:
:図書館や本屋でもよいでしょう、但し、あらかじめ探している本があるならば確認してから足を運ぶのが効率的。図書館に行ってから探す場合にはテーマに関連したものから手に取ってみるのがよいです。
●新聞:
:小学生向きの文章は少なくはありますが、見出しのワードや高校生以降ならば、個人的な意見や感想が書いてあるコラムや寄稿は参考になるかも。
たとえば、朝日新聞は俳壇や歌壇(日曜朝刊のみ)、東京新聞は、時事川柳や書く人、産経新聞ではオピニオンなどの特集が組まれています。ワードだけをピックアップできそうなものはメモしてもよいでしょう。
●インターネット(スマホやタブレット、PC):
:ダイレクトに調べたいものを検索できるのが強み。効率よく探すならばおススメですが、自分で探す楽しみにも触れてほしいと個人的には思っております。
特にお勧めなのが、過去に各自治体で入選している作品となります。次の章以降で入選した作品をピックアップしてご紹介いきますので参考にして頂ければ、グッとイメージがしやすくなりますよ👌
④選んだ言葉を形にしてみる
【③言葉を選んだ】後は、短い言葉を作ってみましょう。
はじめのうちは、
といいますのは、学校や自治体で入選した作品をみるとほとんど575を意識した型になっているからであります。これは、俳句や川柳など575が基本的な型であることと関りがあります。
575の並びは短い言葉で表現するには非常にテンポがよく、日本の伝統的な型ともいっても大げさではないでしょう。古くは鎌倉時代頃に流行していた長連歌(俳句の発祥とも)も57調をとっていたとされているため、日本語には相性がよいテンポ。
標語の場合、完全に575と指定されているわけではありませんので、575にならず文字が多くなったり少なくなっても問題ないですよ~❕
④読み返して違和感がないか確認する
出来上がったら、読み返してみましょう
声に出して読むのがよいでしょう。過去に入選したことがある子に意見を求めてもよいでしょうね。
大きい声ではいえないですが、入選したのに親がほぼ考えていたなんて友人もいたので、その子にはさすがに相談できなかったですね🤣
人権標語作成は過去の事例を参考に~年代別
前の章で、作り方をご紹介しましたが、そうはいっても『人権標語』を1から考えるのは大変であります。
一度は自分で考えてみるのをおすすめしたかったので、他の方法も含めたうえでご紹介させていただきましたが、上手い人の作品を真似るのがおススメ❕
というわけで、過去に各自治体など行われた人権標語で優秀賞以上に選ばれたものからご紹介。年代別に分けていくつかピックアップしてきますね。
小学生の作品
ここからは小学生の方の作品となります。どの作品も目を見張るものがありましたが、個人的な独断でピックアップして引用させていただきました。ご了承くださいませ🙇🏻
低学年
だいじょうぶ いってくれたの うれしいな
引用元:令和3年鳥取市人権標語入選作品より
転んでけがをしたときに言われた言葉から嬉しかった想い(気持ち)を伝えた人権標語となりますね。
文字数は675となりますが、言葉のテンポがよくて響きがよいですね。とても気持ちがこもっていて暖かい印象を受けます。
中学年
くらべない 一人一人が 主役だよ
引用元:令和3年豊後大野市「人権を守り、差別をなくす」標語 優秀作品より
一人一人がかけがえない存在と思ってしまう素晴らしい人権標語です。
多くの方に向けた短い言葉ですが、クラスの〇〇くんや〇〇さんを思い浮かべながら作ってもよさそうです。「〇〇くん!くらべない。一人一人が 主役だよ」
高学年
立ち向かえ 自分の意思を 行動に
引用元:令和3年鳥取市人権標語入選作品より
大人の私が読んでも勇気をもらえるような作品でありますね。短い言葉だから1つ1つの言葉に力強さを感じます😊
たちむかえ➡5文字、じぶんのいしに➡7文字、こうどうに➡5文字の575であります。テンポがよくてあらためて575の魔力を感じます。
続きましてこちら、、
やめようよ スマホで拡散 いやなこと
引用元:令和3年豊後大野市「人権を守り、差別をなくす」標語 優秀作品より
人権の中でも、【インターネットの人権】をテーマにしたもの。メッセージはシンプルですが、シンプルゆえにスッと入って来やすいです。
こちらは585となりますが、テンポがよいですね。
何日声にだしてみると印象に残ってしまいましたよ~👌
一度に長い時間話して終わるよりも、短い時間でも何度も見る方が記憶に定着しやすいと言われますが、短い文ほど繰り返し読めるので暗記しやすくなります。
人権標語の小学生部門についてまとめております。よければ参考にしてくださいませ🙇🏻
中学生の作品
何気ない言葉に潜む差別の芽 気付く心と摘みとる勇気
引用元:令和4年度松山市人権教育推進協議会 人権標語代表作品より
差別を取り除くことの比喩として「芽を摘みとる」にかけているわけですが、問題が大きくなる前に気付いて解決する理想的な光景をイメージさせてくれます。
それでは、文字数についてもみていきましょう。
一見すると、575ではないとだけ感じしまいますが、575 77の文字数となっております。
なにげない→5、ことばにひそむ→7、さべつのめ→5、きづくこころと→7、つみとるゆうき→7、
いかがでしょう?575 77はテンポがいいので印象に残りやすいと感じませんか❕
高校生の作品
個性の色 みんな合わせて 虹にする
引用元:令和4年度松山市人権教育推進協議会 人権標語代表作品より
曇り1つない綺麗な光景をイメージしつつ、そうありたいと思ってしまいました。代表作品にふさわしい『人権標語』。
『人権標語』は理想的を追求するものでありべき。まばゆいほどの感情を抱かせることも必要なのではと感じてしまいます。
一般人の作品
育もう 差別に気づく こころの目
引用元:令和4年度 北九州市人権週間標語 入選作品より
【人権全般がテーマの標語】となりそうですね。
よりよい社会はみんなで作っていくものです。同時に、集団心理は重要です。「みんながやらないからいいかな?」とやめさせるのも集団(本音は1人でも勇気を出して頑張ってほしい)。
1人1人が思いやりを大事にすると大きな輪になっていきます、、
この標語が必要ないと思える世の中にしていきたいと感じてしまいました。
人権標語の例だけを集めて特集しております。よろしければ参考にしてくださいませ🙇🏻
人権標語で使える言い回し
さて、『人権標語で使える言い回し』にはどのようなものがあるのでしょうか?
言葉を選ぶ際に、参考になるであろう言葉をまとめてみました。
書き出しの文字 | 人権標語で使える言い回し |
---|---|
あ | あいさつは・あいさつから・ |
い | 意味もない・いやじゃなくても |
う | 受け入れよう |
え | 笑顔と・えがおは |
お | 思い込み |
か | 関わり方・関わり合い・考えよう |
き | きっとできる・君の一言が |
く | 曇りなき |
け | 権利・景色 |
こ | 個性的な・個性を出せる |
さ | さりげない・さらりと |
※さ行までではありますが、随時更新予定でございます
あくまで一例となりますので、参考にして文章を作ってみましょう😊
ユニーク&オリジナリティが高い作品にするための要素はがっつりこちらで!
人権標語を作ってみた
うん!これまで長文にお付き合いいただきましてありがとうございます。
ここまでにお渡ししました情報で人権標語は作ることができますよ~!では幸運を祈りますと締めたいところでありますが、せっかくなので人権標語を作ってみましたのでよければご覧くださいませ🙇🏻
【人権全般のテーマ】をもとに下記の2つの形でつくってみました。
②575を意識しない短い文章
①575の形式
②575を意識しない短い文章
最後に
『人権標語』一度作ってみてはいかがでしょうか❓
短い言葉に関わらず、改めて【言葉の力】を感じることができます。年代問わず、ぜひとも多くの人に触れてもらいたいんですよね。自分たちが住む世界をよきものにするために。
キレイごとに聞こえてしまう方がいるのは百も承知ですが、向き合ってほしいと思います。
生きていると何が起こるかはわからないです。自分が相手の立場になったとしたら・・・という視点で物事を見れるようになってほしい。そんなことを想いつつ、締めの言葉とさせていただきます👍