2013年に大人の方が作った「人権標語」を紹介する特集❕
学生の頃に『人権標語』を書く機会がありましたが、大人が作る人権標語には違った魅力があるかも……❕
そう感じてからは大人の作品だけを集めてみるようにもなりました。
作品を通じて人権について共感したり考えるきっかけになるだけではなく、読み手を惹きつける細やかな表現に思わずウットリしてしまうこともあります。
また、人権標語を詠むうえで国内の人権に対する取り組みについても目を向けることも重要だと感じております、『2013年』は国内の人権に対する取り組みが大きな一歩を踏み出した大切な年でもあります。
といいますのも、2006年に国連で採択された「障がい者の権利条約」が2013年11月に衆議院本会議、12月に参議院本会議で承認されました。障がいがある方からの意見を主導に段階を経て国内の法令を整備し、障害者の権利の実現に向けた取組みとなりました。
前置きが長くなりましたが、そうした2013年の人権標語について作品をご紹介させて頂ければと思います。
2013年の人権標語の作品を紹介
さあ、【2013年の人権標語】で大人の方が作った作品紹介をスタートしますね👍
テーマ別に分けて事例をご紹介しましょう。

1つのテーマであっても複数のテーマと密接に関わっているよ~
①人権そのもの・個の尊重
人すべて きっと誰かの たからもの
<所感>
短い言葉であっても心が動かされてしまう素晴らしい標語ですね😊
「たからもの」というキーワードがすべてを光らせています。誰しもが聞いたことある言葉であるはずなのに、改めて”たからもの”という言葉の良さに気付かされてしまいますね。
まさに人権について語っているお手本のような標語ではないでしょうか。
人権は 守り守られ 尊ばれるもの
<所感>
当たり前のことを主張している人権標語ではあるのですが、本当に大事なことだな~!と、感じてしまいます。
といいますのも、すべての人がこのように思って行動できれば人権なんて必要なくなるからであります。
②障がいがある・バリアフリー・個の尊重
私が私であるために みんながみんなであるために 守り続ける人権を
<所感>
誰しもが平等に生きる権利を有しております。そのために人権を大切にしていきましょう。頷きながら読みました。特に「私が私であるため」「みんながみんなであるため」を繰り返して嚙みしめながら、人権を守ろうと!
③SNS・誹謗中傷・個の尊重
ひとことが 心のふうせん ふくらます
<所感>
まず、標語について触れる前に少しだけ…..ネットの普及で生活の利便性が上がりましたが、SNSでの誹謗中傷は社会問題になっておりますね。
誰しもネットで発信することが可能になりました。視聴者は匿名でコメントを書き込めることから自由に発信できるわけでありますが、たった一言であっても意見ではなく誹謗中傷は気持ちがよいものではありません。
集団心理が働きみんなが書き込んでいたら、自分が書き込んでいる意識が薄れてしまう傾向がありますが、相手は1つの個人を1人として向き合っている可能性が高いです。例えば、1万にから批判されると1万人と面と向き合って否定されたと感じてしまう方もいます。
個人的な感想が長くなってしまい恐縮でありますが、言葉の力はよい方にも悪い方にも大きいと思わずにいられない!素晴らしい人権標語だと感じました🙇🏻
④思いやり・高齢者・個の尊重
知らんふり、大きな後悔するよりも、小さな勇気で守ろう人権
<所感>
「知らんふり」って後々すっきりしないことが多いと思います。当たり前のことではあるんですけれども、小さな勇気が現実的な表現であり、共感をしやすく読むことができますね。
電車でおばあちゃんがしんどそうなら席を譲ってあげる。目の前にいる人にもほんの少し気遣ってあげればより良い世の中になっていくのでは!そう思って行動したくなりますね。
⑤多様性・個の尊重
同じ部分を探すより 違う部分を認め合う 豊かな心が育む人権
<所感>
「出る杭は打たれる」特にチームや組織の中ではこうした傾向があるように感じております。
けれども、皆生まれた場所、生い立ち、価値観、好きなもの、嫌いな食べ物など、皆違っていて当然です。若いうちは家族の教育が価値観のベースになっているとは思いますが、自分のものさしですべての物事をはかることは難しいでしょう。
色んな人の考え方や価値観を受け入れることによって豊かな人格が形成されて他人にも思いやりをもって接することができる!そんな大切なメッセージを凝縮した人権標語に感じました。
⑥ジェンダー・男女平等・LGBTQ・個の尊重
人の個性はパズルのピース 違いがあるから つながれる
<所感>
「人の個性派パズルのピース」つい目がいってしまうキャッチーなワードでありましたが、奥が深い表現ですよね。
個性があるから、あなたとつながれる。このメッセージを前提にしている点も素晴らしいです。
あどけなく 手つなぐ児らに 垣ねなし
<所感>
おそらく子供の様子をみた保護者が作った人権標語であると思われますが、「年齢重ねてもこうした気持ちでありたいなあ~」と、真っ直ぐ思いました。
大人になってこうした気持ちを感じることが少ないと思いますが、子供の姿から学ぶことは多いですね。忘れたくない純粋な気持ちを感じさせてもらいました。
⑦いじめ・差別・個の尊重
いじめなど しないさせない 地域から
<所感>
残念ながら、年齢関わらずいじめが存在するのは事実であります。
ですが、いじめに対しては強く主張することが大事!
地域がパトロールすることで少なくとも心強いメッセージにはなりますね。言葉だけにならないように意識しなければならない責任も出てきますが、勇気をもらえる人権標語と感じました。
2013年の人権標語から【技法】を紹介
一般の部の事例をみてきましたが、なぜか惹きつけられた標語が多くありませんでしたか❓
実は、短い標語ならでは”ワザ”や”テクニック”が凝縮されておりますよ~👍
五七五(七七)の音で作る
先ほど冒頭でご紹介しましたが、お手本のような五七五の標語がありましたね。
こちらです☟
人すべて きっと誰かの たからもの
必要ないとはおもいますが、数えてみましょう。
リフレイン(繰り返し)を用いる
続けまして、読み手が印象に残るリズムを作るためにリフレイン技法を用いるのはおススメ!
こちらの標語をご覧ください。
私が守る みんなで守る 差別のない 豊かな社会
「みんなで守る 差別のない 豊かな社会」という形で作ることもできますが、あえて「〇〇が守る」「〇〇で守る」という形を繰り返すことでインパクトを与えることができます。
また、私とみんなを取り上げることで当事者意識も感じてもらえます。ぜひ、同じ言葉を繰り返す技法も活用してみてくださいね。
比喩表現を用いる
短い言葉でも読み手を惹きつけるために有効なのは比喩表現です。
こうした比喩表現は、イメージを膨らませることができますよ~!
人が作った差別なら 人しか無くせぬ差別の芽
こちらの標語では上記で解説した同じ言葉(構造)を駆使しつつ、最後に「差別の芽」で締めております。
「芽」とは、植物に新しい花や草となる成長が生まれたときに表現することばでありますが、物事が起こるきざしという意味のたとえで用いられます。
他にも表現技法について詳しく確認したいならば、こちらも参考にしてみてくださいね🙇🏻
最後に
「すべての行動は言葉から生まれる」私自身もキレイな言葉を発するように日頃から心がけております。
とはいえ愚痴の1つでも言わないと精神が持たないよ~!そういう方も多いとは思います。
短い言葉であっても一度人権標語に取り組んでみると、言葉の深みが感じられて面白いのではと感じております。
人権標語の作り方の基本についてはこちらの記事でまとめておりますのでよければ参考に😊
今回は2013年の人権標語に注目してみましたが、素晴らしい人権標語ばかりでした。ありがとうございます🙇🏻