ハラスメントの種類は、まるで“見えないトゲ”が形を変えて潜む森のように多種多様です。職場や学校、オンライン上など、思わぬ場所で人をざわつかせます。この記事では代表的なハラスメントを事例付きでわかりやすく紹介しつつ、思わずクスッとする“珍種”まで案内します。
ハラスメントの種類はいくつある?
ハラスメントの種類には代表的なものだけでも20種類以上あると言われています。ここでは特に代表的なものを、小見出しごとにわかりやすく紹介します。
セクシャルハラスメント(セクハラ)
性的な言動で相手を不快にさせる行為全般を指します。露骨な発言だけでなく、外見への執拗なコメント、不要な接触、性的な冗談をしつこく言うなど本人は軽いつもりでも相手には鋭く刺さることも。
職場、学校、オンラインなど場所を選ばず発生するため、相手の気持ちを中心に考える姿勢が欠かせません。
パワーハラスメント(パワハラ)
職場での立場や権限を背景に、相手への精神的・身体的な負担を与える行為です。怒鳴る、必要以上の叱責、無理なノルマの押しつけ、無視や隔離など形は多様。仕事の指導と攻撃は別物で、受けてが萎縮してしまう状態は要注意。
職場全体の空気にも影響しやすく、組織課題として扱われる代表例です。
モラルハラスメント(モラハラ)
暴言より静かに心を削る精神的な攻撃が特徴です。否定や皮肉を積み重ねたり、無視を続けて相手を孤立させたりと、外から見えにくいのが厄介。家庭・恋人・職場など親しい間柄ほど起こりやすく、言葉は優しいのに心が沈む状態が続く場合は警戒が必要です。
日常の違和感が積もることで、自己肯定感が侵食されていくこともあります。
アカデミックハラスメント(アカハラ)
大学などの研究・教育機関で、指導者が権限を濫用するケース。研究を不当に止める、過度な雑務を押し付ける、進路を妨害するなど、学ぶ場が圧で曇ることがあります。上下関係が強まりやすい環境だからこそ、適切な指導との線引きが重要です。
若手研究者のキャリアを左右するだけに、被害が長期化しやすい点も問題とされています。
マタニティハラスメント(マタハラ)
妊娠・出産・育児を理由に仕事の機会を奪ったり、不利な扱いをする行為です。「妊娠したなら仕事を減らすべき」「復帰は無理でしょ」などの言動も該当。人生の大きな転機である時期にこそ、職場の支援が求められます。
個人の事情ではなく社会全体の課題として理解され始め、近年は企業が制度整備に動くケースも増えているそうです。
ドクターハラスメント(ドクハラ)
医師から患者に対する心無い言葉や高圧的な態度を指します。専門知識の差が大きい関係性ゆえに、冷たい言葉や威圧的な言い方が患者の不安を増幅することも。医療は安心が土台となるため、コミュニケーションの質が重要です。
適切な説明や寄り添う姿勢が欠けると、治療そのものへの信頼が揺らぐという深刻な問題にも繋がります。
ソーシャルハラスメント(ソーハラ)
SNSでの過度な監視、批判、フォローや投稿の強要などオンラインでの圧が特徴です。デジタルでは距離が近すぎることもあり、気軽なやり取りが一転して負担になることも。デジタルマナーが求められる新しいタイプです。
匿名性や公開範囲の広さが影響し、意図せぬ一言が相手に強いプレッシャーを与える場合もあります。
リモートハラスメント(リモハラ)
オンライン会議やチャットでの過剰な監視、深夜の連絡、カメラ強制など、リモート環境で生まれるハラスメントです。働き方が柔軟になる一方で、境界線が曖昧になりやすいのが問題点。
仕事と私生活の画面の境目を尊重する姿勢が必要です。
アルコールハラスメント(アルハラ)
飲み会での飲酒強要、断った人への嫌味、過度な酒を注ぎ続ける行為などが該当します。場のノリで済まされがちですが、体質や体調は人それぞれ。楽しい席を苦痛に変えてしまうため、配慮を欠かせないハラスメントの一つです。
カスタマーハラスメント(カスハラ)
客の立場を悪用し、過度な要求や暴言・長時間拘束などを行う行為です。接客の現場ではスタッフが孤立しやすく、心身の負担も大きくなりがち。サービス業の現場を守るため、企業が対策を整える例も増えています。
面白いハラスメントを事例とともに紹介!
日常には、少し笑えてしまう“ゆる系ハラスメント”も潜んでいます。深刻ではないけれど、遭遇するとじんわり困るものばかり。ここではそんな面白ハラスメントを事例付きでまとめました。
カラオケハラスメント(カラハラ)
飲み会で「この曲歌って!」と強制したり、マイクを離さず独占するタイプのハラスメント。盛り上がるはずの空間が、ひとりの熱唱ステージに変わってしまうことも。好きな曲は自由に、とはいえ空気の共有も大切です。
写真ハラスメント(シャハラ)
何枚も同じ構図を撮り直し要求したり、勝手に写真をSNSに載せる行為。友人同士の楽しい場でも「えっ?また撮るの?」という疲労の波が押し寄せます。撮影は記念のスパイスくらいがちょうど良いこともあるでしょう。
おやつハラスメント(オヤハラ)
「これ食べてみて!」と毎回大量のお菓子を渡してくる、善意の暴走系ハラスメント。ありがたいけれど、机の引き出しが小さな菓子倉庫と化す瞬間があります。好意があふれすぎると、ちょっと困ることもある典型例です。
通話ハラスメント(ツーハラ)
オンライン会議で、やたら雑談を続けたり、突然プライベートを掘り下げる質問を投げてくるケース。仕事の話が霧散し、会議が漫談の沼に吸い込まれていきます。距離感と時間配分はリモート時代の魔法の道具です。
推しハラスメント(オシハラ)
自分の推しを全力で語り、相手が興味ゼロでも布教し続ける行為。「一回でいいから沼って!」という圧がじわじわ迫るタイプ。愛が深いのは素敵ですが、熱量の調整にも時に必要です。
最後に
今回はハラスメントの種類と面白いハラスメントを紹介しました。ハラスメントは深刻なものから思わず笑ってしまう“珍種”まで幅広く存在します。まずは種類を知り、自分や周囲の言動を見直すことが、心地よい環境づくりの第一歩です。










