✔『10月時候の挨拶』について基本事項をおさえる
✔差し出す相手に応じた例文を紹介しています
この時期になりますと、ひんやりした秋気が気持ちよい季節になります😊
けれども、こと『10月の時候の挨拶』においては差し出す相手により形が異なるのため言い回しを選ぶ際には難しく感じてしまうわけであります。
私自身、漢文調の時候の挨拶にはとても苦労した経験がありまして何年も時間がかかりましたが、今ではあれこれと考えることができるようになりました!
【10月の時候の挨拶】をわかりやすくまとめてみましたのでシェアさせていただきますね👌
基本的な10月の時候の挨拶
例えば近所や勤務先の近くで上のような風景をみたとします。
手紙を書く際に季節の挨拶に取り入れることができないかなと考えた場合に、どのようなお相手に贈るのかに応じて言いまわしがかわってきます。
もう少し具体的に話していきましょう。
例えばとても親しい友人に『イチョウの紅葉がきれいだね』と伝えることができます。
けれども、相手が目上の方ですといかがでしょうか❓
「〇〇公園通りのイチョウは薄紅葉になってきてますね。少しずつ秋らしくなってきてと実感できます」と言いまわしは同じでないはずです。
ここでは差し出すお相手の方との関係性に応じて
①漢語調
②和語調~一般的なケース
③和語調~やわらかなケース
に分けてみていきましょう👍
①漢語調
はい!こちらは主にビジネスや目上の方へ差し出す形式となります。
見た目が漢文調で特徴的です。
これは手紙の伝統を意識した形となりますので、手紙におけるマナーを守った礼儀正しい言い回しといえます。この場合には、手紙全体の細かな点も意識しなければならないですが、今回は10月の時候の挨拶がテーマですので、時候の挨拶にクローズアップしていきます。
例 | 読み方 | 意味 | 時期の目安 |
---|---|---|---|
秋涼の候 | しゅうりょうのこう | 秋になり涼しくなってきたこの頃、 | 9月上旬~10月上旬 |
秋晴の候 | しゅせいのこう | 秋晴れの心地よい時節のこの頃、 | 9月上旬~10月下旬 |
仲秋の候 | ちゅうしゅうのこう | 暦では秋の半ばになったこの頃 | 9月上旬~10月上旬 |
秋雨の候 | しゅううのこう | 秋の雨がしとしと降るこの頃、 | 9月下旬~10月上旬 |
綿秋の候 | きんしゅうのこう | 紅葉が綺麗になるこの頃、 | 10月中旬 |
寒露の候 | かんろのこう | 暦では秋の終わりをあらわすこの頃、 | 暦で10/8~10/22頃 |
秋麗の候 | しゅうれいのこう | 秋の陽気が心地よいこの頃、 | 10月中旬~11月上旬 |
紅葉の候 | こうようのこう | 紅葉がきれいなこの頃、 | 10月中旬~11月上旬(地域や年度により確認) |
菊花の候 | きくかのこう・きっかのこう | 菊の花がきれいなこの頃、 | 10月下旬~11月上旬 |
朝寒の候 | ちょうかんのこう | 肌寒い朝になったこの頃、 | 10月下旬~11月上旬 |
書き出しのワード一覧
使い方はとっても簡単です。
「書き出しのワード一覧 + の候、+みぎり」
「秋涼の候、秋晴の候、仲秋の候、秋雨の候、綿秋の候、寒露の候、秋麗の候、紅葉の候、菊花の候、朝寒の候」
②和語調~一般的なケース
上の漢語調と比べるとやや長い言い回しになることが多いでしょう。
時期目安を書いておりますがあくまでも地域柄や手紙がお相手のもとに届く日の前後の天候を
考慮するとなおよいでしょうね!
例 | 時期の目安 |
---|---|
涼やかな秋空の季節柄、 | 上旬頃 |
秋の夜長と申しますが、日が短くなった印象を受けます。 | 上旬頃 |
秋雨にどことなく憂いを感じるこの頃、 | 上旬頃~下旬頃 |
秋たけなわのこの頃、 | 中旬頃 |
雲ひとつなく秋晴れが続いておりますが、 | 中旬頃 |
秋空高く心地よい時節、 | 中旬頃(地域や肌感により確認) |
日ごとに秋が深まってまいりました。 | 下旬頃 |
日ごとに秋も深まり、朝夕は肌寒くなりました。 | 下旬頃 |
③和語調~やわらかなケース
さあ、ここからは普段の言葉遣いに近いものですのでイメージもしやすくなりますよ。10月になると目にする光景を想像しながらぜひ考えてみましょう!
ではみていきましょう👌
●田んぼが金色にかがやく時節になりましたね。
●澄みきった秋空の下、運動会の玉入れに参加してきました。
●秋の運動会の時期です。息子と綱引きに参加します。
●登山しながら薄紅葉のに秋の到来を感じてます。
●美しく色づき始めた紅葉に、秋の深まりを感じています。
●北国からは初雪の便りも聞かれ、急に肌寒さを感じる昨今、
10月を表す単語やイベント
例 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
赤とんぼ | あかんとんぼ | 秋のおとずれを告げるたとえにされる。紅葉や夕日と似た赤色とされる |
ざくろ | ざくろ | 種が多いのが特徴で子孫繁栄、豊譲のシンボル |
紅葉 | こうよう・もみじ | 秋イメージできることば、葉の色が赤にかわること |
薄紅葉 | うすもみじ | 秋が深まり始め、うっすらと色づいた紅葉 |
初霜月・良月・建亥月・時雨月・譲成月 | はつしもづき・りょうげつ・けんがいげつ・しぐれづき・かみなんづき | 10月 |
秋の日はつるべ落とし | あきのひはつるべおとし | 井戸につるべをおとすように秋の日は急にくれることをあらわす |
衣替え | ころもがえ | 10/1からはクールビズも終わり、一般的には冬服にかえるとされる |
◆ポイント◆
漢文調と違って、和語調は季節の話題を使うことができるため想像力を働かせていきましょう
https://datumoyamoya-life.com/archives/92
10月に使える時候の挨拶をシチュエーション別に
実際の手紙ではどのような流れになるのかも合わせてお渡ししていきますね👌
ビジネスで送る手紙の場合
「開店祝いの御礼」手紙の一例です。
ビジネスの場合はある程度きまった形を意識して書いた方がよいでしょう。
謹啓 秋雨の候、 ますますご清祥のことと存じ上げます。
さて、この度は開店に際し、お心尽くしのご祝詞とお祝いを頂戴し、ご厚情に心より
感謝申し上げます。
何とか開店の佳き日を迎えられましたのも、ひとえに皆様のご支援とご尽力の賜物と
深く御礼申し上げます。皆様に幾久しく愛される店になりますように、尽力して参る
所存でおります。
どうぞ引き続き変わらぬご愛顧を賜りますようにお願い申し上げます。
まずは略儀ながら手紙にて御礼申し上げます。
謹白
見やすさの関係で横書きの例にしておりますが、正式な手紙やお礼状、挨拶状、目上の人の手紙の場合は縦書きを用いるのが一般的です
プライベート(かしこまった状況)で送る手紙の場合
「ダッツ運動会の来賓を依頼する」手紙の一例です。上記の例と比べるとやや一般的な表現になっていますが依頼状ということもありビジネスよりの改まった形式がよいとおもいます。
※上記同様に縦書きの形式がよいでしょう!
■ダッツ運動会の来賓依頼の場合■
平素は地域の様々な活動にご理解を賜り御礼申し上げます。本日は、お願い事があり、お手紙いたしました。来る10月10日に毎年恒例のダッツ運動会開催いたします。
突然恐縮なのですが、ぜひ阿部様にご出席を賜り、ご祝辞を頂戴できればできればと存じております。ご引き受けいただけますと幸いに存じます。
近々改めてお伺いいたしますが、まずは略儀ながら手紙にてお願い申し上げます。
敬具
プライベート(親しい相手)で送る手紙の場合
「演奏会に来てくれた友人へお礼」手紙の一例です!
親しい相手に手紙を送る場合は「折や折柄、この頃」などを入れることを過度に意識しすぎずに表現して手紙を作成するほうがのぞましいでしょう。
■演奏会にきてくれた友人へお礼の手紙■
今日はわざわざ演奏会にきてくださってありがとうね。会場での横断幕も飾ってくれてとてもうれしかったです。あなたの応援や横断幕のおかげですごくリラックスして、演奏できました。本当にありがとう。
小さい頃から演奏を始めて長い年月を要しましたが、初めて演奏会で特別賞をもらうことができ、念願の夢が達成できました。この結果を糧にこれからもっと頑張ります。
今後ともどうぞ応援よろしくお願いしてくださいね!
ふうか
『10月の時候の挨拶』結び
さようならの挨拶をするときに時候の挨拶も合わせてしましょうといった趣旨となります!
10月の季節の挨拶を含めた場合の例文をさっそくですが見ていきましょう。
固さが必要な手紙の場合
例)
・日ごとに秋の装いが整います折柄、ご健康をお祈り申し上げます。
・たわわな秋の実りのよう、ますますのご活躍を祈念いたしております。
・灯下親しむ季節、体調を崩したりなさいませぬよう、御身おいといください。
・実りの秋です。社業のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。
一般的な手紙の場合
例)
・過ごしやすい季節になりましたが、無理をなさらぬようおきをつけください。
・実りの多い秋になるよう、お祈りしております。
・秋の深まりとともに冷えこんでくる夜も多くなりますので、どうぞお気をつけ
てください。
・日増しに肌寒さを感じる時節柄、お身体お自愛くださいませ。
・季節の変わり目です。お元気にお過ごしくださいますよう、お祈りいたします。
・寒暖の差が激しい時節が続いておりますが、お互い体調を崩さないようにした
ですね。
フランクな手紙の場合
例)
・お互いの秋が実りおおきものになりますように。
・味覚の秋になりましたね。ぜひ食事でもご一緒して秋を堪能しませんか。
・味覚の秋になりましたね。近いうちにお食事でもいかがでしょうか。
・とれたての秋の秋刀魚などの食材を使ってホームパーティーを行いますので
ぜひともお越しくださいね。
最後に
『10月の時候の挨拶』に特化してきましたが、手紙全体からするとほんの数行の話であります🤣
ですが、時候の挨拶は礼儀や作法として結構見られる箇所だといえます。初めのうちは漢文調の言い回しは意味から調べる方が多いとはおもいますが、根気強くやっていただきたいです。
スポーツや勉強でもそうだと思いますが、少しずつ慣れていくはずです!
まずは10月だけでもよいですので、色々考えてとりくんでみてください👍