皆さんはスーパーなどで売られ、いつも食べているししゃももが偽物だということをご存知でしょうか。
一般的に売られているししゃもは本物ではないとされていますが、どういった点が違うのか気になりますよね。また、ししゃも以外にも偽物があると言われているようですね。
そこで今回は、いつも食べているししゃもは偽物なのか、いくらにも偽物があるって本当なのか調査します。
いつも食べているししゃもは偽物?違いを解説!
スーパーや居酒屋で取り扱われ、普段口にしているししゃもは偽物で、英名でカペリンと呼ばれているカラフトししゃももだったのです。
ただ、偽物というよりも、本物のししゃもは漁獲量が多くないので、代用品としてカラフトししゃもが流通しています。
スーパーで売られているものにも、しっかりと樺太ししゃもと表記されていますが、本物とどういった点が違うのでしょうか。
それでは、本物のししゃもと偽物の違いについて詳しくみていきましょう。
分類
本物とししゃもはキュウリウオ科シシャモ属に分類されていますが、偽物と言われているカラフトししゃもはキュウリウオ科カラフシシャモ属となっています。
どちらも同じキュウリウオ科であるため、同じような見た目をしていますが、シシャモ属とカラフトシシャモ属となっているのが違いのようですね。
場所
本物のししゃもが獲れる場所は北海道の太平洋沿岸の一部で、日本固有の種類です。一方で、カラフトししゃもはアイスランドやノルウェー、グリーンランドなどの水温が低い場所や北対へ洋、北大西洋と幅広い範囲に分布しています。
このように、本物のししゃもとカラフトししゃもでは分類だけではなく、獲れる場所も違ってくるようです。
漁獲量
カラフトししゃもが本物のししゃもの代用品となっているのには、漁獲量が関係していますが、どのくらいの量なのでしょうか。
まず、本物のししゃもは北海道の大西洋沿岸の一部でしか獲れないということもあり、漁獲量は年間約1,000トンから約1,500トンだとされています。一方で、幅広い範囲で漁獲されているカラフトししゃもの場合は年間約200万トンもあるそうです。
このように、本物のししゃもとカラフトししゃもでは漁獲量に大きな差があるので、代用品として使われても仕方がないのではないでしょうか。
価格
本物のししゃもとカラフトししゃもでは、価格にも大きな違いがあります。
本物のししゃもの価格は10匹で6,000円以上の値が付く高級食材となっており、カラフトししゃもは100g、約300円で購入することが可能です。
また、この価格はあくまで相場となっており、ししゃもの大きさや漁獲量によってはもっと高値が付くこともあります。
見た目
どちらも同じキュウリウオ科に属する魚ですが、それぞれをよく見てみると違いがあることが分かります。
まず、本物のししゃもは体がふっくらとしていて丸みを帯び、少し赤色をしているのが特徴です。また、1つ1つの鱗が大きくハッキリと見え、干物の状態では口が開いているという特徴があります。
一方で、カラフトししゃもは本物のししゃもに比べると体が細身でシュッとしていて、青みがかった銀色をしており、小さいサンマのような見た目をしているのが特徴です。
味
漁獲量が少なく、高値で取引される本物のししゃもと安価で入手できるカラフトししゃもでは味にも違いがあります。
カラフトししゃもも卵がプチプチとしていて美味しいですが、本物のししゃもの場合はとろけるような食感と滑らかな口当たりが特徴です。さらに、本物のししゃもは雄も美味しく、卵を持っていない分、身がふっくらとしていて、脂がのっています。
いくらにも偽物があるって本当?仕組みや違いは?
ここまではししゃもの偽物について詳しく解説してきましたが、いくらにもあるということをご存知でしょうか。
実は、天然物のいくら以外に人造いくらと呼ばれるものがあります。日本で人造いくらが誕生したのは1970年代後半で、現在も市場に出回っていると言われているようですね。
コピー商品の1種である人造いくらですが、天然物のいくらとはどのような違いがあるのでしょうか。
それでは、人造いくらの仕組みや天然物のいくらとの違いを詳しくみていきましょう。
アルギン酸ナトリウムなどで作られる
人造いくらは日本の科学会社が開発したコピー商品ですが、仕組みや成分はどうなっているのでしょうか。
人造いくらの皮膜と呼ばれる外側の部分はアルギン酸ナトリウムが使われており、内側はカラーギーナンなどが使用され、中心部分は脂となっています。
これらの成分で出来上がったものを天然赤色系色素であるβカロテンなどで赤く着色し、人造いくらの完成です。
天然物のいくらと人造いくらはパッと見では分かりづらく、水産関係者でも騙されてしまうほどの完成度を誇っています。
熱湯に入れると簡単に分かる!
パッと見では判別することが難しい天然物のいくらと人造いくらですが、2つを熱湯に入れることで簡単に見分けることができます。
天然物のいくらは熱湯に入れると、タンパク質が反応して凝固し、白い膜ができます。一方で、人造いくらは熱湯に入れても白い膜は発生せず、成分に使用されている着色料や油が浮いてくるというのが特徴です。
この方法を利用すれば、誰でも簡単に天然物のいくらと人造いくらを見分けることができますが、生の食感を失ってしまうことが難点かもしれないですね。
味
天然物のいくらと人造いくらでは味などはどのように違うのでしょうか。
天然物のいくらの味は誰もが分かるとおり、にプチプチとした食感と旨味やコクがあります。一方で、人造いくらは皮膜が固く、弾力があり、中身はゼリーのような食感があるそうです。また、いくら本来のコクなどがなく、皮膜部分に苦味が感じられると言われています。
このことから、天然物のいくらと人造いくらでは見た目こそ本物そっくりとなっているようですが、味を完全に再現することはできなかったようですね。
見た目
天然物のいくらと人造いくらでは味だけではなく、見た目にも少し違いがあるようですね。
人造いくらは天然物のいくらよりも色が薄く、中心部分である目玉が大きいという特徴があり、人工的に作られているので1粒1粒がサラサラしているそうで、粘りけがないそうです。
また、人造いくらを触った場合、着色料が付くこともあると言われています。
まとめ
今回はいつも食べているししゃもは偽物なのか、いくらにも偽物があるって本当なのか調査しました。
今回紹介したように、世の中にはコピー商品と呼ばれる食材などが流通しており、自分たちが気づかないだけで身近にあることがあります。
コピー商品などは本物が入手しにくいといったことを解決するために生まれたものでもあり、本物とは違う特徴などがあるので比較していったら面白いのではないでしょうか。